スプラ3はこれだけ売れているということは、多くの人が面白いと思っているということでしょう。ですが、その面白さの裏でイライラするのも確か。
イライラが募ってくると勝っても負けてもイライラします。
なぜでしょう?
怒りを制御する時間を与えない
私もきちんと学んだわけではありませんが、アンガーマネジメントでは6秒ルールがよく言われます。
単純に言うと6秒待って冷静になるということですが、スプラにおいて6秒ルールは適用できません。
試合中に6秒も経てばリスポーンして再び試合に放り込まれます。
「怒りを鎮める時間を与えない」これがポイントです。
もちろん試合中の打ち合いでは6秒もかかることはありません。
チャージャーに打たれると1発ですし、2確のブキも多く存在します。打たれたのに気づいたときにはもう死んでるのが当たり前のルールです。
シューティングゲームにも関わらず打ち合うことなく退場させられます。
威力の低い武器同士で打ち合う場面でも、武器の相性から勝負はおおむね決まっていますし、打ち合い以前に一方的に打たれるシーンが多いのはご存知の通りです。
客観的思考をさせない
「怒りを鎮める時間を与えない」上に「冷静に判断する材料を与えない」というのがイライラを募らせる原因です。
スプラではキルカメラがないので自分がなぜ倒されたのかを自分で考えるしかありません。
試合中は自分の判断基準で判定をするしかないのです。
客観的な材料が与えられず、自分の価値観で判断しがちな人にとっては毒でしかありません。
これはとても危険ですし、成長を阻害する要因にもなります。
スプラのように試合中の相手もブキも固定で何度もリスポーンできるゲームだと、キルカメラを見ることで試合中の動きを考えるきっかけになります。必要とまでは言いませんが、有用性は高いでしょう。押されているときに前線を押し返せないのは客観的な思考ができなくなっていることが多いです。
スプラ3は冷静に考えるきっかけを与えず、ひたすらリスキルされるような仕組みになっているのです。
隠蔽体質
客観的思考とも関連しますが、与えたダメージや自分の残りHPといった具体的な情報を全く与えないことで冷静な分析をしにくいシステムになっています。
前回はこれで倒せたのに今回は倒せない、といった事態が当たり前のように発生しやすくイライラの原因となります。
確殺数当てているはずなのに倒せないと感じることも多くあります。
計算ではなく直感や経験に頼った思考が求められるため、判断がブレやすく冷静さを失いやすいシステムになっています。
3では試合後に内容を見返すことができるようになり大きく前進はしましたが、イライラは別の話です。
試合結果よりも試合中の個々の結果にイライラすることのほうが圧倒的に多いので、イライラすることとの解消には全く役に立ちません。
怒りは圧倒的な瞬発力でやってきますから。
フィードバックのない通報システムと品質の低さ
プレイヤーにはどうすることもできないバグや不具合が多すぎます。ここまで酷いと製品の品質の問題であり、任天堂様にお金を払ってデバッグをさせていただいているのではないか?と思うときがあります。プレイヤーを馬鹿にしすぎです。
ゼルダBoWをプレイして、ここまでのシステムを破綻なく大きなバグもなく作り上げる任天堂ってやっぱりすごいな、とずっと思っていましたがスプラ3をやってその評価は間違っていたのかと残念に思っています。
本当にスプラ3はバグが多く残念な状態でリリースされ、修正されていないものも多くあります。
低い品質に加え、運営がバグなのか仕様なのかをハッキリさせないため、プレイヤーは起きている事象がバグなのか仕様なのか、何が起きているのかがわからずイライラが募ります。
そのイライラをぶつける場として通報機能があります。
通報内容には「不具合の悪質的な利用」「チート・改造」とありますが、よほどわかりやすいものを除いて「不具合」が何なのかわからないので選択肢としてあるだけ無駄です。
「チート」「改造」もあからさまなものはわかるかもしれませんが、微妙なものはプレイヤー側では判断がつきません。プレイヤー視点では通常プレイ時の判定自体が怪しいものばかりですから。
あくまで推測ですが、きちんとした不具合の定義がなく、プレイヤーが勝手な判断でおかしいと思ったら通報するので無駄な通報が多く集まるのではないでしょうか。
通報の一部の選択肢は全く機能しておらず、単なるイライラのはけ口として存在しているだけの気がします。
他にも通報の問題点はあります。フィードバックが何もないところです。
通報した結果どうなったのかがわからないため、通報自体が機能しているのかがプレイヤーには判断できません。
私も不適切なニックネームで何度か通報しましたが、そのプレイヤーは同じ名前で元気にマッチしてました。
これでは通報しても無駄なんだなーと思うし、この名前は運営的にはOKなんだ…と正直驚きました。
運営に認められてるわけですから、次からはマッチしても通報していません。時間の無駄ですし。
マップの進入不可な場所へ入れるバグを使っているプレイヤーも通報しました。
もちろんそのプレイヤーがどうなったのかなど知る由もありません。
個別の案件として公表しなくても、この理由でBANしたプレイヤーが何人といった統計的なデータは出しても良いと思うのですが。
こんな状態ではゲーム内のモラルの低下は防げないでしょう。不正や嫌がらせに対して抵抗するチャンスである通報システムがこれでは、やり場のない怒りを溜め込むしかありません。
通信エラー
これは本当にきちんと対応しないといけないヤツです。オンラインの対戦ゲームとしては異常に通信エラーで切断されます。多少マシになったといっても、10だった頻度が5か6になっただけなのによろこんでいる、そんな状態です。
プレイヤー側で回線を切断したり、絞ったり、不意に切断されてしまう人もいるでしょうから0にすることは難しいと思いますが、それにしてもこの頻度はおかしいと断言できます。
通信エラーで追い出されたあと、すぐに次のマッチができるってことは明らかに回線の問題ではなくシステム側の問題です。
この通信エラーは切断即敗北という救いようのないダメなシステムにも関係する大問題です。
スプラは通信エラーで蹴られるとそのマッチに復帰することができません。オンライン対戦ゲームでは切断されても一定時間内であればマッチに復帰できることが多いのですが、スプラにおいてはそのまま敗北として処理されます。
プレイヤーのコントロールできない部分で一方的に敗北を押しつけられるのではたまったものではありません。
あと、他のプレイヤーが切断したからってマッチ中断するのはひどすぎます。
他人が切断したとかそんな情報いらないし、それでマッチ中断されるのは仕組みとしておかしいと感じないんでしょうか。
オンラインの部分は大規模にテストすることが難しいとはいえ、すでに3作目なのでその言い訳は通用しません。
スプラのネットーワークの仕組み上云々の話を始めればいくらでも言い訳は立つでしょうけど、プレイヤーにはそんな仕組みの話は全く関係ありません。
快適にプレイできるかどうか、それだけが判断基準です。
品質の低い理不尽なシステムによるどうすることもできない一方的な敗北の押しつけ。
諦めるしかなく、怒りを通り越して呆れます。
運ゲー
ここでいう運とはバンカラのマッチングのことを指しています。
よく「実力のあるやつはそれでも上にいく」とか言っているのを見かけますが、言っていることはわかりますがそれは一握りのプレイヤーなので、そんな話をしても無駄だと思います。
問題なのは、先にも少し触れましたが特定のステージで4kが一人だけとかボーナスステージですし、相手にもみじが3人とか最悪4人なんてこともあります。
こうなるとトーピードだけ勝負が決まるというクソみたいな試合です。
4k一人問題は1万歩譲って仕方ない(割とあるからイラつくが)としても、ブキの偏りはこちらの一人と相手のもみじを入れ替えできないのか?と思うのが普通の感覚でしょう。
その普通の感覚が欠落しているのがスプラ3なんです。
全員が上位に行けないのは当然ですし、マッチングはどんなゲームでも運の要素があることは否定しません。
ですが、これだけ多くのブキが存在する中で偏った編成になるというのは明らかにマッチングシステムの欠陥ですし、運ゲーと言われても仕方ないでしょう。
ブキの調整不足で選ばれるブキに偏りがあるのもありますが。
現実とかけ離れすぎている
スプラは距離や広がりに対する判定を完全に諦めています。ハードウェアの制約や色々な事情があるとは思いますが、プレイヤーはこういうことも「理不尽」と感じるのではないでしょうか。
ゲームなので賛否あるかとは思いますが、距離感や判定が異様です。
例えばリッター4kの最長飛距離で当たっても、至近距離で当たってもダメージは同じです。当たったらチャージしているかどうか(威力)しか判定されません。(当たり判定自体の問題もありますが)
エクスプロッシャーで高いところから低地にいる相手に当てても、至近で水平で当ててもダメージは同じです。キャンピングで相手にインクがかぶるように少し上から当てても1ダメージも入りませんがローラーだとかぶるように当てないとダメージが入りません。
弾速が早いブキより遅いブキの威力のほうが高いものもあります。ハイドラとガロンとか。
ナイスダマやトリプルトルネードも外側にちょっと当たっただけでも倒されます。インクの塊という概念で捉えると、広がっていって消滅するのだから外側の密度は薄くなるのではないかと思うのですが。
外側のほうが速度が早いだろうから威力が高いとも考えられますが、弾速の遅いブキでも威力が高かったりするので色々と矛盾が生じます。
スプラの世界観だと当たり前なのかもしれませんが、現実ではありえない現象です。
立方体のオブジェクトの角に斜めから攻撃を当てても一方の面しか塗れない(エクスプロッシャーやスプラッシュボムだとわかりやすい)とか、オブジェクトの継ぎ目でインクが途切れるとか、世界観というよりも仕様の問題というものも多くあります。
公式の煽りは良い煽り
ただでさえ時間のかかるリザルト画面なのに、負けたら相手チームの無駄な煽りエモートでイライラを超加速させ、ダラダラと時間がかかる仕様。
公式の煽りは良い煽りだからシステムとしてはガンガン煽ってくるスタイル。そりゃイライラします。
試合が終わってからもイライラさせることを忘れないおもてなしの心。
さすがです。素晴らしい。
その一方でプレイヤーの煽りは通報対象です。
その通報も機能しているかどうかプレイヤーにはわからないようになっており「オレたちは煽る。だがお前らはダメだ。通報しろ。でもどうするかはオレたちが決める。公表?そんな面倒なことしねぇよ。」という無茶苦茶な仕組みです。
で、どうするよ?
諦めましょう。
スプラ3はいろいろな方法でプレイヤーのイライラメーターを満たそうとしてきます。
バグや通信エラーはアップデートで改善されていく可能性がわずかにあります。バグは直る可能性がありますが、基本となるシステム(通信周りも含め)が変わる可能性はありません。
システム的な部分は諦めるという前提として、試合中のスプラはアンガーマネジメントをさせないシステムとなっていることを頭に入れておいてプレイするしかありません。
自分が相手より優れている、上手くプレイできると考えている人は特に要注意です。
怒りやすいと自覚がある人はスプラ3をプレイしないというのも選択肢です。
皮肉なことですがスプラはイライラさせるシステムが人気の要因でもあります。
この仕様を考えた人やそれにOKを出した人はちょっとネジ外れてるところがあると思うので、プレイヤーはあんまりムキにならないほうが良いです。
先にも書いた通り、怒りは瞬間的なものなのでフッと我に返るときがあります。
スプラ3はたくさん売れましたが、今までの作品よりも怒りの要素が多く盛り込まれているので、このままでは人気はそう長く続かないでしょう。
最初のシーズンではS+25になるまでがんばったので、自分としては割と気合い入れてプレイしていたほうだとは思います。ただ、今シーズンはS+5でもう嫌になってロクにプレイしていません。
ちょっとプレイすると理不尽なところばかりが目立つので、つまらなくなってすぐにやめちゃいます。ゲームは楽しむものですからね。
スプラ3はシリーズ最悪の作品なのは間違いないし、スプラ史上最速で過疎ると思いますよ。