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[レビュー]アサシンクリードシャドウズ

やっと終わったー!超絶ボリュームでした。
メインストーリーだけを追ってもボリュームがあり、ちょっと寄り道を始めると、とてつもないボリュームがあります。
良くこれだけのものをリリースできたな…と心の底から思います。

アサクリシリーズの話をすると、私が一番印象に残っているアサクリはエッツィオのやつ(3かな?)です。

ちなみにPS5版をプレイしました。

抜群の作り込み

中世日本の建築物ってこんなんだったんだろうな、というのを感じる作り込みで、当時の中心であった近畿地方が広大なマップと共に丁寧に描かれていると思います。
名所も良く再現されていて、銀閣寺や東大寺、那智権現も美しいグラフィックで見ることができます。
残念ながら東大寺の大仏を見ることはできませんが…

自然も日本らしく再現されていて、街道を外れるととんでもなく険しくて迷子になりかねないような山ばかり。四季も感じられますし、琵琶湖のデカさもゲーム内スケールではありますが、体感できます。

プレイしていて思うのは、生き物が多い!
街中はもちろんのこと、山にも水中にもたくさんいます。猿やら鹿やら鳥やらいろいろ。

お城もデカい!

ゲームの方向性が違うから一概に比べることはできませんが、個人的にはRise of the Roninのほうが名所の見せ方は上手かったなかぁと感じます。

なんでかなーと考えてみたのですが、RotRの方がマップが狭く、濃いエリアだけに絞っているっていうのがあるのかなと。
RotRはおいしいところだけ使っていて、名所のピックアップの仕方、ストーリーとの絡ませ方がうまいんですよね。
シャドウズだとメインストーリーをひたすら進めていくだけだと訪れなくても良い場所が結構あります。敢えてそこに行かないといけなかったり、メインストーリーと絡みがないから知らんかったみたいな場所も出てきます。
発見する楽しみがあるといえばそうなんですが、せっかく作り込んであるのにもったいないです。

ムラのある中世日本観

建物の再現なんかは良くできてるなーと思うんですが、ゲーム内の日本観にムラがあります。
歴史好きな人の視点だと統一感がないと感じる人も多いんじゃないでしょうか。ゲームレベル(信長の野望とか維新の嵐とか)での知識しかないですが、それでも「おや?」と感じるところがあります。
多くのスタッフが関わっているからでしょうけど「これ、明らかに違う人が考えたよね?」と思わざるを得ないような「そうはならんだろ!」と言いたくなるところがあります。

ゲーム自体は概ね歴史上の大きな出来事に沿ってストーリーは進行し、登場人物も当時の有名人から微妙な人物、創作っぽい人物まで出てきます。
家康のセリフが、有名なホトトギスの一節を想起させたり、茶の湯の作法をやたら丁寧に学ばされたり、丸目長恵が上泉信綱の弟子として出てきたりとか、知っているとフフッとなるような要素がたくさんちりばめられています。

そうかと思いきや、上泉信綱がなぜか信長の元にいたり、謎の武田流の真田正豊という聞いたことのない武芸者が出てきたりとファンタジー要素も追加されています。
他にも、宝蔵院胤栄が金棒振り回したりして、どうして…となることもちょこちょこあります。
この辺はプレイヤーが槍を武器として使えないので、人物の設定をシステムに合わせたんでしょうけど、そういうところだぞ!マジで!

槍の名人という位置づけのキャラはちゃんと別に出てくるし、なんでこんなことになっているのか意味が分からない。
ハッキリ言って、中途半端に実在の人物を使うくらいなら創作した人物で良いんじゃね?

ストーリー

すまない。正直、ストーリーはよく覚えていない。
一部ネタバレも含まれるのでご注意を。

やること多すぎ問題

ストーリーは、復讐に燃える奈緒江が悟りを開いて人々のために戦うみたいな感じだったと思う。
んで、人々のために戦うことの先に復讐することがあり、同じ道だ!みたいな話だったと思う。たぶん。
弥助の方はもっと覚えていなくて、信長の仇を討とうと思ったら、本当の仇敵が絡んでいて、そいつが日本にいることがわかったから倒すぞーみたいな感じだったと思う。たぶん。
自分でもびっくりするくらい適当です。
実際、終わってみたらあんま覚えてなかった。

何でこんなに覚えていないのかと言えば、サブミッションが多すぎて、あちこち駆け回っているとどれがメインストーリーのミッションだったかわからなくなるからです。

やるべきことはわかっているんですが、あちこちにミッションが落ちていて、移動中についつい拾ってしまうんです。
そうすると脇道にそれてしまって、本来自分が向かう予定の場所じゃない場所へ行ってしまって、その先でさらにミッションを…ということがあり、ストーリーがうまくつながりません。
私のプレイスタイルの問題であることは認めます。認めますが、実際にそうだったのだから仕方ない。

やること多すぎ問題は、サブミッション進めてるつもりだったのにメインミッションの敵を見つけて倒しちゃったりとか逆のパターンもたくさん。
それに加えて、奈緒江と弥助で二人のストーリーが展開するからもうわけわからん。

ゲームを通してやることは明確だし、ストーリー的に迷子にならないようにすごく配慮されているんですが、実際にプレイすると自分の現在位置を見失いがち。
単純にこれら複雑に入り組んだモノをきちんと管理できているのは率直にスゲーと思いますが、それが良いかは疑問です。
これはこれでアリなのかもしれないけれど、ストーリーをじっくり楽しむタイプのゲームではないように感じました。

弥助問題

弥助が侍かどうかは知らんしどうでもいい。

で、言いたいことはそういうことじゃなくて、このゲームに弥助いりますか?
弥助は必要ない!と言い切れるほどの熱量はありませんが、必要かどうかって聞かれたら別にいなくても…という回答になっちゃう。
ストーリーをろくに覚えていない自分が言うのもなんですが、奈緒江だけでも別に良かったのではないかな。
アサシン教団との因縁が奈緒江なら、テンプル騎士団との因縁が弥助という位置づけにして、それぞれの道が交わる…と書くと、おぉーってなるんだけど、実際は弥助サイドでテンプル騎士団が出てくるのってかなり後半。(だと思う…)
奈緒江サイドでは序盤からアサシン教団を匂わせる要素がたくさん出てくるのに、弥助サイドだと実はテンプル騎士団が裏で糸引いてましたーみたいな話が突然出てくる。
そりゃ、アサシン教団を出す以上はテンプル騎士団もセットで出さないといけないってのはアサクリシリーズである以上、そういうもんだとは思いますが。
プレイヤーを驚かせるつもりで後半に持ってきたのかもしれないけど、無理やり付け足されたように感じました。最初から弥助とテンプル騎士団のエピソード出しておいてくれれば、もっと感情移入できたかもしれないのに…

キャラクターとしての弥助は陽気で義理堅くて結構好きなんですけど、奈緒江だけでもテンプル騎士団との因縁は描けてるし、弥助がプレイアブルである必要はなかったように思います。

魔法が解けるまで

このゲームの要素として、城の攻略(侍大将を倒して宝箱を開けるやつ)があります。
城を探索して侍大将を探し出し、邪魔な敵を排除して倒す。
確かに面白くて、敵の動きを観察し、隙を見て暗殺、時に正面から切りあって倒していく。
他にも家紋集めやら名物集め、絵画回収、絵を描くイベント、九字切りなど嫌になるほどの要素が用意されています。

これは属人的な感性によるところも大きいのですが、これらの要素ってある一定のレベルまでは面白いんです。ですが、ある時フッと目が覚める瞬間が訪れるんですよね。
かけられていた魔法が解けるように。

城攻略は城によって地形が違ったりはするんですけど、基本的にやってることは繰り返しです。
大きな城だと侍大将を探すだけでもかなり探索をしなくてはいけないし、攻略対象となる城の数もそこそこあります。
私には全部の城を攻略するほどの気力はありませんでした。ぶっちゃけ、途中で飽きてしまった。
最初のうちは、城や古墳、隠れ家やサブミッションなどをできるだけ攻略・探索していたんですが、途中からめんどくさくなって、ストーリーをひたすら進めて早く終わらせたいという気持ちになっていきました。
この探索地獄から早く抜け出そう…

私は、シャドウズは面白い!と思えるうちにどんどんストーリーを進めることをおすすめします。
寄り道をしないで進めてもかなりのボリュームはあるし、ゲームにちりばめられた多くの要素に触れることができます。
それでも充分面白いし、シャドウズの美味しい部分を堪能できると思います。

クリアしてなお、魔法が解けていないなら、残してきた要素を埋めれば良いし、それができるのがシャドウズの良いところでしょう。

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