スプラ2の中毒性が極端に高い理由と凶暴性が増す理由

スプラ2の中毒性が極端に高い理由と凶暴性が増す理由

以前、東洋経済オンラインの記事を引用して投稿したことがありました
引用元の東洋経済オンラインの記事中では以下のように書かれています。

夜な夜な「殺すぞ!」と叫ぶ夫

ともみさん(仮名)の夫、誠さん(仮名)は仕事から帰宅すると毎日7時間、深夜3時まで「スプラトゥーン2」をプレーするようになった。もともとは2017年の冬に小学生の長女りんりさん(仮名)のクリスマスプレゼントに買ったものだが、りんりさんがプレーする時間は皆無となった。
誠さんがプレーするのはリビングのテーブルの上。自分の意に沿わないゲームプレーをする味方に対して「塗れ、塗れ! 塗りまくれ! お前なにやってんだよ!」「殺すぞ!」など罵声とともに床を踏み鳴らす行為を毎日のように繰り返した。
その音は家中に響き、家族は不眠に陥った。最初はスプラトゥーン2に興味を示していたりんりさんも「パパ、異常」とあきれ果てた。

どこまでが真実かは別として、理解できる部分はあります。
中毒性について書かれた記事なので、冒頭のこの部分はあまり気にしなかったのですが、ふとこの記事を思い出したのです。
この部分で書かれているのは中毒性と言うより凶暴性が増すという内容ですね。
改めて中毒性が高い理由と凶暴性が増す理由について、もう少しスプラ2の本質的な部分で原因を考えてみたいと思います。

Advertisement

考えるきっかけ

先日、バグだかチートだかわからない現象が発生しました。
Twitterに投稿しましたが、これをきっかけになぜイライラするのか、凶暴性が増すのかということが気になったので、改めて考えてみました。

原因不明

例えば私がTweetしたこの現象、原因不明です。

バグなのか、チートなのか、ラグなのか。
ラグや瞬断にしては続けてプレイできているので否定できますが、バグかチートかの判断はできません。

なぜ判断できないのか?
そこが出発点でした。

フィードバックの欠如

スプラ2には致命的な欠点があります。
プレイヤーに対するフィードバックがたりないのです。
プレイに対するフィードバックはもちろんのこと、通報に対するフィードバックもありません。

ゲームシステムと運営の両方が投げっぱなしの一方通行なのです。

プレイに対するフィードバック

私は良くキャンピングを使うので実際の経験で例えると「さっきは一発で倒せたのに、今回も同じように当てて、同じように命中音がしてるのに倒せない」
こんなことは当たり前のように起きます。

なぜでしょう?
理由はわかりません。

なぜ理由がわからないのか?
フィードバックがないからです。

対人FPS/TPSでは与えたダメージや受けたダメージが数字で出るものがあります。あるいはキルの結果が数字として見られます。
キルした/されたということの理由が明示されるわけですね。

スプラ2ではどれだけダメージを与えたのかわかりません。
もちろん、自分の受けたダメージもわかりません。
なぜ倒せなかったのか、なぜ倒されたのかがわからないまま黙々とゲームは進行していきます。

フィードバックがないことの問題

理由がわからないと納得できません。

先ほどのキャンピングの例だと「なんで倒せないんだ?」となりますよね。
数字が表示されたところで結果は変わりませんが、仮に数字がわかったとすれば、今回は狙いがずれてダメージが足りなかったんだな、乱数の引きが悪かったんだ、などと自分の中で理由をつけることができます。

理由をつけられないと理不尽さを感じてイライラが募りストレスになります。
プレイヤーにもよりますが、システムが悪い、回線が悪い、相手が悪い、味方が悪い、と外に理由を求めるようになります。

最悪です。
ここで東洋経済オンラインの記事の暴言につながりますし、同記事中では最後の方でも子どもが凶暴化したみたいなことが書かれています。
理由がわからないから怒るんです。
そこに理不尽さを感じるから怒るんです。
東洋経済オンラインの記事の 中毒性が高く凶暴化するのは同意しますが、 私は情報を隠すゲームシステムが理由であると考えます。

通報に対する考え方

これにも問題があります。
通報すること自体の意味がわかりません。

一方通行

通報したことありますか?
私はあります。そこそこあります。主に放置/妨害/不適切なニックネームのプレイヤーを通報しています。

通報したことがあるプレイヤーさん、通報した結果、何か変わりましたか?
私は変わったとはこれっぽっちも感じていません。

そう、ここにもフィードバックがないのです。
通報した結果どうなったのか、どう対処したのかが驚くほどわかりません。
詳細まで知りたいとは思いませんが、通報した結果、良くなったのか、悪くなったのか、変わっていないのか、全くわかりません。
プレイヤーから一方的に通報させるだけで、その結果を明示しないのは怠慢です。

通報フォームのお粗末さ

不適切なニックネームとか、そんなの見りゃわかるだろ…ということにも理由を書かせます。一方で回線の問題は誰がどうやって判断すれば良いのかかわかりません。
本来は理由の入力なんて必要ないはずです。
ログがちゃんと取れていれば調べられるんですから。
もちろん理由が必要な場合もありますが、なぜ必須であるのでしょうか。

それにしてもこの通報フォームはあまりにもお粗末すぎます。
しかも、スマホのアプリからしか通報できません。
いまさらですが、なんだこの通報システムは?
もうこれ、通報させる気ないでしょ。

判断材料の不足からくる通報の低品質化

ダメージの件もそうですが、通報するための情報が足りません。
「頻繁な通信切断」「故意に通信品質を下げている」という選択肢がありますが、どうやれば 別プレイヤーのその情報がわかるんですか?
ハズキルーペ使えば見えますかね?

せめてゲーム内で自回線のPING表示や通信品質の表示(優/良/可とか5段階みたいな)があれば、相手が悪いのか自分が悪いのか判断できますが、そういった判断材料もないのに一方的に相手の回線が悪い!って通報するとすれば、それは物事をきちんと判断できない人です。
しかもどのプレイヤーの回線が悪いかを選ばなくてはならず、当然そこまで判断できませんし、私的な感情が入るから通報そのものに悪意を込めることができてしまいます。
そんな通報が役に立つとは思えません。

情報を隠すことで中毒性を極限まで高める

そろそろ中毒性について考えていきたいと思います。
Switchというプラットフォーム、任天堂というパブリッシャーの特性を考えると、競技性の高い対人ゲームではなく、広く多くのプレイヤーが楽しめる対人ゲームと仕上がっているのは見事です。
そしてそのライトな対人ゲームであることが中毒性を高める理由にもなっています。

対人ゲームの公平性は情報公開から

対人である以上、公平な条件で判定されなければいけません。
その公平さを担保するものは、情報公開です。
処理をブラックボックス化して明示しないと、すごいわかりにくいチートなのか、回線の問題なのか、単に下手なのかわかりません。
その部分をうまく使っているので、スプラ2の中毒性はすごいのです。
あえて判定を明かさないことで、次はうまくいくかもしれないと思わせます。
スプラ2の処理が公平で適切であったとしても、巧みに情報を隠すことで人の射幸心を利用して中毒性を高めています。
その結果、プレイヤーは不公平さを感じ、怒り、時々うまくいって、繰り返しプレイし、また怒るのです。
ドーパミンドバドバ状態。そりゃ中毒性が高いわけです。

対戦内容だけが情報ではない

PCの対人ゲームの多くではPINGやフレームレート(FPS)を表示できます。
オンライン対戦である以上、これも公平さを測る重要な要素です。
Switchだとマシンのスペックに違いがないのでFPS表示は意味がありませんが、PING表示なり回線品質表示はあるべき(ON/OFFできるとしても)です。
回線も自分ではどうにもできない部分はありますが、少なくとも自分がそういう環境であることは理解できます。

視点を変えると、そういった劣悪な環境のプレイヤーと通常の環境のプレイヤーが共存していても誰が悪いかなんて、誰もわからない。
誰も悪くない!やさしい世界!すてき!

そんなわけない。
クサイものにフタをしても、クサイ原因が取り除かれるわけではありません。
でも、スプラ2では自分は悪くないのです!
自分が悪いことに気づかないようにできていますからね。
クサイものにフタをして、そのフタの上で踊ってるようなものです。
プレイヤーにとって都合が悪い情報は見せず、快適な環境でプレイしているかのように錯覚しやすくなっているのです。

理不尽な理由はやっぱり情報不足

キルの理由を明示しないことによる理不尽さ。
どんなに上手いプレイヤーであってもスペシャルで倒される理不尽さ。
こういった良くも悪くも酸いも甘いもごった煮の理不尽さが至るところに埋め込まれており、それが多くの喜びと怒りを生みます。

スペシャルによる一発逆転はそういうゲームシステムなので良しとしましょう。
ただ、スプラ2はあまりにもプレイヤーに提供する情報が不足しています。
それが敢えて隠しているのか、結果的にそうなってしまったのかはわかりませんが、私の考える中毒性が高い理由はここにあります。
プレイヤーにとって都合の悪い情報を極力減らし、快適にプレイできているかのような幻想を作り、判断したり考える材料を提供していない

通報なんて初めからなかった。ここはやさしい世界ですからね!

その結果、ややこしいことは何も考えず、思考を放棄して感情だけで漠然とプレイを続けることができるゲームとして仕上がっています。
アクション性が高いので向き不向きがあるとはいえ、考えなければ勝てませんが、考えないので勝てない。
そして理不尽さを感じ怒る。
リベンジのために再びプレイする。
時々の勝利や一瞬の快楽で喜びを感じる。
その繰り返しです。

結論

プレイヤーを過保護した結果の中毒性と凶暴性の助長

プレイヤーを守るため、快適な環境を作るために情報を見えなくすることは、考える力、判断する能力を奪います。
そのため、自分に原因があったとしても、他のプレイヤーへ責任を転嫁しやすい環境ができあがります。
ここが一番人をダメにするところ。
君は悪くないよ(他のプレイヤーが悪いともいってないけどね)、と囁かれ続けながらプレイをし続けることになるのです。

その結果、自分に都合の良いぬるい環境でプレイすることが中毒となり、思い通りにいかないと理由のわからない理不尽さから凶暴性が増すのです。
すべてのプレイヤーがそうであるとは言いませんが、そうなりやすい環境が整えられているということは言えるでしょう。

あそんだカテゴリの最新記事