決算からみるスマホゲーム 市場は拡大するも逆風?

スマホゲーム市場関連の最近の話題だと、セガサミーの赤字転落が目に付きますが他も結構厳しいみたいですね。
各社の決算や短信、ネットの記事を読んでみました。

セガ

セガサミーホールディングス【6460】、今期最終を一転赤字に下方修正 | 株探ニュース

決算資料にざっと目を通してみたのですが、パッケージゲーム(コンシューマーゲーム)では利益を確保できたものの、デジタルゲーム(スマホゲーム)とアミューズメント機器(アーケードゲーム)が今ひとつだったようです。
特にデジタルゲームの減衰が顕著です。
資料によるとデジタルゲームの3Qの主なタイトルは龍が如くONLINEとイドラファンタシースターサーガが挙げられていますが、イドラはなんとか息をしているものの龍が如くは爆死でしょう。
4Qの主なタイトルにリボルバーズエイト(配信中)とワンダーグラビティ(事前登録中)が挙げられていますが、リボ8はもう息をしていないので挽回は厳しいんじゃないでしょうか。4Q予測もデジタルゲームは赤字になっていますし。

セガばっかりだと不公平なので、他もざっと見てみます。

コロプラ

白猫のコロプラ。

コロプラ—急落、第1四半期の営業赤字転落がサプライズに | 株探ニュース

上場以来初の赤字とのこと。こちらもざっと決算資料をみてみました。
バクモン爆死と10周年広告費、外注費の爆増が効いてるみたいですね。

サイバーエージェント(Cygames)

グラブル、デレステ、ドラガリのサイバーエージェント。

サイバーエージェント、営業利益を100億円下方修正 コスト増大で「計画に狂いが生じた」 – ITmedia NEWS

決算資料を見る限りではゲーム事業の売上は悪くなかったようですが、販売管理費が増えた(広告打ちすぎ問題)ことで収益が悪化したようですね。

ソニー(アニプレックス)

続いてFGO、マギレコのアニプレックスを抱えるソニー。

ソニーの第3四半期は減収増益、スマホ市場の減速響く FGOも軟調 – ITmedia NEWS

こちらの記事の最後でFGOについて書かれていますが、ストレートに言えばユーザーが課金する額が減ったと。
決算資料を見ると、スマホ事業が足を引っ張り、エンタメと保険で稼ぐとはソニーもずいぶん変わったんだなぁと感じます。

スクエニ

ドラクエ・FFのスクエニ。

スクウェア・エニックス・ホールディングス【9684】、4-12月期(3Q累計)経常が54%減益で着地・10-12月期も88%減益 | 株探ニュース

決算短信を眺めると前年同期から大幅な減益。スマホゲームでは新規タイトルとしてロマサガRSが挙がっているくらいでしょうか。
セグメントがコンシューマーとスマホで別れていないのでスマホアプリがどんな感じなのかはわかりにくいですね。

ガンホー

パズドラのガンホー。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント【3765】、前期経常は22%減益で着地、今期業績は非開示 | 株探ニュース

こちらも決算短信をざっと見ました。MAUというやや長いスパンの指標での改善を目標としているそうで。
パズドラも好調でそれほど悪くはないのかと思いますが、他のタイトルがパッとしないんですかね。
スマホ版ROにも少しだけ触れられていますが、日本での配信については特に何も書かれていません。東南アジア、北米、南米オセアニアではリリースされてるっぽいですが。
プラットフォーム別(AppleとGoogle)の売上も記載されており、Appleのほうが1.5~6倍くらい売上が多いようです。

ミクシィ(XFLAG)

モンストのXFLAG を抱えるミクシィ。

ミクシィ【2121】、4-12月期(3Q累計)経常が44%減益で着地・10-12月期も44%減益 | 株探ニュース

すでに私の知ってるミクシィじゃないミクシィ。すっかりモンストのミクシィになりました。
チケキャン終了の損失計上が響いてか減益。売上のほとんどがエンタメ事業なんですね。
モンストのユーザーは増加しているみたいですが、少しずつ減収しているみたいです。ところでモンストカードゲームはどうなったんでしょうか?
昨年のJAEPO&闘会議でプロモーションカード一式みたなのをもらった気がしますが、それっきり開けてもいないんですよね…

コナミ

パワプロやウイイレのコナミ。ときドル…

コナミホールディングス【9766】、10-12月期(3Q)税引き前は7%増益 | 株探ニュース

コナミは増益の模様。決算資料を見ると、まだまだゲーム関連事業の売上/利益が大きいです。ゲーム関連に比べるとスポーツ事業は安定してるみたいですが、案外薄利なんですね。
スマホ関連ではスポーツゲームが好調とのこと。遊戯王があるけど、他は…ね。
ゲーム全般としてはeSportsとの絡みも強いので、まだ伸びしろがありそうです。
スマホゲームの今後のリリースタイトルには悪魔城ドラキュラ、ダンキラ!!!、ラブプラスEVERYが挙がっています…が、配信日未定。
コナミはやたらとアンケートやクローズドβなどでユーザーからのフィードバックを得ることに執心しすぎて、なかなかリリースされない感があります。
リリースされるゲームは丁寧で完成度が高くて良いのですが…

バンナム

続いて業績を上方修正したのに株価が下がるというバンナム

バンナムHDは大幅続落、19年3月期業績予想を上方修正も市場予想に届かず | 株探ニュース

IPを積極活用しているバンナム。予想より上方幅が少なかったから株価が落ちるのはちょっと気の毒な感じもあります。
スマホゲームだけ見てもアイドルマスターシリーズ、ドラゴンボール、ガンダム、ジャンプ関連など数も多く好調でしたね。

その他

長くなってきたので、あとは株探の記事へのリンクを。

スマホではこれといった代表作がない気がするグリー。減益。

グリー【3632】、上期経常が48%減益で着地・10-12月期も71%減益 | 株探ニュース

最近だと世紀末デイズとかでしょうか…ディー・エヌ・エー。赤字。

ディー・エヌ・エー【2432】、10-12月期(3Q)税引き前は赤字転落、未定だった今期配当は8円増配 | 株探ニュース

えぇっと…ファンキルのgumi。赤字。

gumi【3903】、上期経常が赤字転落で着地・8-10月期も赤字転落 | 株探ニュース

ログレスのマーベラス。増益。

マーベラス【7844】、4-12月期(3Q累計)経常が43%増益で着地・10-12月期も17%増益 | 株探ニュース

パブリッシャーというよりデベロッパーのアカツキ。増益。

アカツキ【3932】、4-12月期(3Q累計)経常が5%増益で着地・10-12月期も6%増益 | 株探ニュース

まとめ

そろそろガチャゲーやパズドラモンストFGOからの脱却を期待したいところですが、スマホゲームで新規IPとなると、もうほとんどがリリース前に失敗みたいな世界になってしまっている現状。
まさにゲームガチャ。ガチャゲーガチャ状態。

セガは昔から波が大きいから置いておくとして、スマホゲームにおいてはガンホー以降の新興ゲーム企業は有名アプリ一本勝負のところが多いのが現状のようです。
各社新しい柱を建てることに焦っている雰囲気が漂う中で、コナミはスポーツゲーム中心で手堅く、バンナムは超有名IPを使ったゲーム開発を進めているから大きな失敗も少ないのでしょう。
少々私情が混じりますが、コナミは失敗したときの見切りが早く、撤退もうまいです。たとえ大手であってもズルズル引っ張らないのはさすがというか、残念というか…

売り上げランキングをまとめているnoteがありましたのでこちらも見てみます。
ファミ通モバイルゲーム白書をもとにされているようです。

モンスト 933億円、FGO 885億円、パズドラ 487億円、荒野行動 404億円。スマホゲーム課金売上ランキング(2018 日本国内)|アプリマーケティング研究所|note

2017年のランキングもあるので推移がわかって良いですね。
全体的な売上は上昇しているようですが、各社の決算結果などはパッとしない数字になっています。市場が拡大して上昇した売上よりも、開発や広告などの費用の上昇はより大きいということでしょう。
また、2018年は荒野行動が4位に入っています。いわゆる中華ゲーの進出、躍進もあり、和ゲー独占だった市場が崩れ始めているというのもありそうです。

スマホも普及しきった感があり、現状から新たにユーザーを開拓するのはなかなか難しいでしょう。
そうなってくるとコマの取り合いになり、より一層しのぎを削り合うことになりそうです。

おもに みみみ

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