[レビュー]GeForceNOW第一次クローズドベータテスト
昨年のうちに当選通知はきていたのですが、ようやくユーザー登録の案内が来たので、さっそく試してみました。
提供されるのは仮想マシンのみ
まず最初に、GeForce NOW(以下GFN)でプレイできるのは自分が所有しているゲームのみということを念頭に置かないといけません。
Apple ArcadeやGoogle Stadiaと違い、ゲームそのものは提供されません。
提供されるのはクラウド上の仮想マシンのみです。
SteamやOrigin、Uplayなどでゲームを購入していないと何も遊べません。
※Fortniteなど基本無料のゲームは遊べます
正直微妙すぎます。
Steamでゲームを購入するようなプレイヤーが、程度の差こそあれゲーミングPCを持っていないわけがありません。
ゲーミングPCを使ってGFNに接続してゲームをプレイするなんて馬鹿げたことはただの無駄です。帯域の無駄遣いです。
クローズドベータでの状況なので、正式サービスが始まればまた違う状況になるのかもしれませんが、現状はサービスとしては開いた口が塞がらないレベルです。
試してみた
上記のとおり、持っているゲームしかプレイできないので限定的ではありますが試してみました。
PCのスペック
試してみたのはJumper EZbook X1。
11.6インチのノートPCで性能は画像の通り。 とてもゲームをやるようなPCではないのはわかると思います。
通信品質
クラウドゲーミングでもっとも重要とも言える通信品質ですが、実機でのテスト結果は下記画像の通り。
スペックに難があるので少し心配でしたが推奨環境はクリアできています。
試したゲーム
手持ちのゲームしかプレイできないという制限があるので、とりあえずSteamで購入済みだったR6SとPortal、基本無料タイトルのFortniteとAPEX Legendsをプレイしてみました。
通信品質の低下がどこに問題があるのかわからないので、もしかしたら我が家のネットワークに問題があるのかもしれません。その点は棚に上げてますがご了承を。
R6S
遅延がひどい。
プレイ時に普通に遅延があるのに加え、時々通信品質が落ちるのか画面にブロックノイズが多く出たり、遅延が激しくなったりします。
エイム中や移動中に遅延が起きると、変なところを撃ったり、行きたくない場所へ移動したりしてしまってゲームになりません。
プレイしたタイミングもあるのかもしれませんが、いつやっても同じ品質でなければダメでしょ。これは厳しい。
Portal
やはり通信品質が時々悪くなり画質が落ちますが、プレイ自体には問題ありません。
ですが、やはりプレイ中に高い頻度で画質が落ちるのはやる気がなくなります。
Fortnite
オブジェクトが多くなったり、建築合戦になったりすると遅延やブロックノイズが目立ちます。
素早い操作に追従してこない場面がチラホラあります。
もうお約束ですが、時々起きる通話品質の低下が厳しい。
Switchでプレイするほうが安定していてマシ。
APEX Legends
画質がひどい。
遅延は感じないのですが、ゲーム内で画質設定を上げても画質が変わりません。
あと、APEXは言語設定が英語になっちゃいます。
仮想マシンのOSが英語版のWindowsだからかもしれませんね。
スマホでも試してみた
PCでプレイするのは結構厳しいということで、スマホでも試してみました。
iOS版のアプリがないので、仕方なく以前使っていたAndroid端末を引っ張り出してきました。
SOCはKirin655、メモリ3GB、二回りくらい前のミッドロークラスの端末です。
ゲームパッドとのペアリングができなかったので、こちらではR6S(起動のみ確認)とPortalで試してみました。
R6S
起動までしか試していませんが、ちゃんと動きます。
クラウド上の仮想マシンの画面を送ってるだけだから当たり前ですけども…
Portal
案外遊べる。
PCでプレイすると過剰な期待をしてしまうんですが、スマホだとこんなものかなってのもあるし、解像度的な理由もあるのかもしれません。
ゲームパッドを使えなかったので、画面上にゲームパッドを表示してプレイしました。Portalならこれでも遊べないことはないですね。
現時点での感想
微妙。
我が家にはそこまで性能は良くありませんが一応ゲームをプレイできるレベルのPCがあるので、そっちでプレイすればいいじゃんという結論になってしまうからです。
わざわざ仮想マシンで遅延にイライラしながらゲームをする理由がありません。
しかも持っているゲームだからなおさら。
シングルプレイのゲームや、アクション性の低いゲームであれば充分遊べると思いますが、それじゃ意味がない。
みんなが期待しているのは高価なゲーミングPCじゃないとプレイできないゲームがしょぼいPCでも動くってところでしょう。
GFNの強みとしてはMacでWindowsのゲームがプレイできるとか、配信しながらプレイがしやすい(帯域の負荷が気になりますが)とかでしょうか。
我が家の古いMacBookAirでもWindowsのゲームをプレイできるのは、確かに魅力を感じます。
スマホはともかく、タブレットであれば画面もそこそこ大きいので楽しめるでしょう。問題はAndroidタブレットの選択肢の無さですが。
iOSにも対応して欲しいのですが、内容的に 現状ではAppleに許可されるとは思えません。
Softbankと組んでいるところを見ても、今後の5G普及を見越してのことでしょう。5Gなら低遅延で高速な通信環境が整うので、そうなってくればGFNも真価を発揮できそうです。
その時にはすでに他のサービスが天下を取っていると思いますが…