香川県のゲーム依存防止条例が可決される見込み
パブコメを募集するも8割が賛成
これはもう決まりっぽいですね。
香川、ゲーム依存防止条例可決へ 1日60分の使用目安(共同通信) – Yahoo!ニュース
当然ながら私は反対の立場です。
寄せられたパブリックコメント2686件のうち8割が条例素案に賛成とのことで、どういったパブリックコメントが寄せられたのか興味があります。
香川県のサイトではまだ公開されていない(2020/3/13現在)ので、早く公開していただきたいところ。
インターネットユーザー協会と国際ゲーム開発者協会日本については意見を提出したとのPRが出ていますので、リンクを貼っておきます。
「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)素案に対するパブリックコメント」に意見を提出しました – MIAU
香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)素案についてパブリック・コメントを提出しました | 国際ゲーム開発者協会日本
真正保守と画一的な報じられ方の恐怖
この条例自体もそうですが、香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟会長の大山県議の考え方が無理。私は割と保守的で体制寄りな考え方だと思っていたのですが、どうやら違っていたようです。
私、保守辞めますね!
私がこの条例に感じた、昭和そのものだという印象は間違いではなかったようです。
この議員の主義主張を拝読すればすぐ分かる。昭和そのもの。
香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟の皆さんはマジメに、本気で、ゲームは1日60分までだ、休日は90分が妥当だろう、とか考えて議論しているわけですよ。(もちろん、それだけじゃないですが)
これは冷静に考えてホラーです。
それと同時に、多くの記事で見出しに「ゲームは1日60分」ばかりが取り上げられていることにも恐怖を感じます。
こうやって暗黙のルールが出来上がっていくのですね。
地獄への道は善意で舗装されている
他県のことなのでどうでも良いと言えばそれまでなのですが、大げさな言い方をすれば、一見どうでも良いような小さなところから私達の自由はジワジワと奪われていくんだろうな…というさらに強い規制への萌芽を感じます。
日本においては、一度作られた信号機が無くならないように、一度決まった条例も簡単には無くならないでしょう。
今では多くの人がゲームで遊ぶようになったとは言え、ゲームに対する否定的な見方はまだまだ根強いものがあります。
eスポーツに対する反応を見てもそれは明らか。
そんなゲーム対する規制。賛成意見が多いのは当然の結果とも言えるでしょう。
想像の域を出ませんが、パブコメを投げるような層はアンチゲーム派がほとんどでしょうし。
比較対象としては適切ではないかもしれませんが、ナチスだって民主的な選挙の末に誕生した独裁なのです。
多くの人が、これは…いいものだ、いいぞもっとやれ!と応援した結果、その道がどこにつながっているのか。
この条例に限った話ではなく、立ち止まり、よく考えるということを青少年にしっかり教えるべきです。
盲従する青少年を作ることが目的ではないのでしょうから。
余談1 他の香川県議会の条例案
香川県のパブコメを見ていたら、香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)なんてのがあったんでどんなものかと見てみたらですね…ざっとこんな感じ。
・未成年のインターネット接続のフィルタリングをしない場合は携帯キャリアに書面を提出する(保護者の義務)
・携帯キャリアはフィルタリングの必要性をちゃんと説明する
・フィルタリング不要の書類は契約解除かその利用者が18歳になるまで携帯キャリアが保管する
・フィルタリングしない場合、県は保護者に理由を聞くことができる
・規定に従わないキャリアは勧告、公表できる
※パッと見た感じでまとめたので間違っていたらご指摘ください
原文はこちら
香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)の概要
冒頭の概要で児童ポルノ(おそらくここでは自撮り写真の流出防止などを指している思われる)の問題に触れているんですが、それはフィルタリングで解決することではなく、本人の資質とネットリテラシーの問題ではないかと思われるのです。
話題になっている問題をぶち上げて共感を呼び、本当の目的は別のところ。
やり方が一緒ですね、ゲーム依存防止条例と。
みんな使ってるけど、新しくてオレたちにはよくわからない技術に対する恐怖心なのでしょうか。
それを正しく理解し、正しく使おうとするのではなく、規制、排除する方向へのバイアスが強いみたいですね。
香川県って、そもそもがこういう考え方の強い県なんでしょうか?
ちなみにこの条例に対するパブコメは1名から寄せられた2件のみ。
香川県|香川県青少年保護育成条例の一部を改正する条例(案)の概要のパブリックコメント(意見公募)実施結果
余談2 おすすめの本
ゲーム依存症とか地方自治とか条例とか全く関係ない本なのですが、この一連の流れを見ていたら図書館戦争を思い出しました。
良著なのでおすすめです!ぜひ!