香川県ネット・ゲーム規制条例のパブコメが公表されるが可決
可決されたようです。
香川県、「ネット・ゲーム依存症対策条例」を可決。4月1日より施行へ – GAME Watch
パブコメに関しては先日の記事中でパブコメが公表されていない旨、書きましたが香川県の公式サイトで公表された模様です。ただし、抜粋です。
香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方を掲載します。
パブコメを募集した意味はあるのか
資料を見るとほとんどのページが条例案に対する反対意見に対する回答となっています。
資料冒頭にも記載されているとおり、パブコメを募集するのは多数決をするためではありません。このあたり、今回の規制条例を推進している香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟の皆さんはどのように考えているのか気になります。
パブコメとは?
ちなみにパブコメについては総務省のe-Govで次のように説明されています。
パブリックコメントは、国の行政機関が政令や省令等を定めようとする際に、事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てることを目的としています。
地方自治にはそのまま当てはまらないのかもしれませんが、主旨は変わらないでしょう。「公平さの確保と透明性の向上」「国民の権利利益の保護」がキーワードでしょうか。
噛み合わない回答
公開された資料の回答を見てみると「ネット・ゲーム依存症対策を総合的かつ計画的に推進することを目的としたものです」「ゲーム全てを否定しようとするものではありません」という回答が多い印象です。
全体を通して意見に対する回答が噛み合っていないように感じました。
特に(4)学力・体力低下については「ネット・ゲーム=悪」という前提の回答となっています。
プレイ時間が長いから学力が低下するのか、学力が低い子が長時間プレイするのかの違いがハッキリしていないのではないでしょうか。後者であれば学力を向上させることを優先すべきです。
体力低下もゲームやスマホが原因という結論ありきの回答となっています。
映像視聴時間が長いと体力合計点が低下するのであれば、テレビやDVDの視聴時間の規制も検討すべきではないでしょうか。
果たしてこれは何のためのパブリックコメントなのでしょうか?
このあたりはねとらぼで詳しく書かれているのでご参照を。
香川県「ゲーム規制条例」パブコメ回答まとめ 依存症の調査に1998年のテストを使用 根拠は「あると考える」と“お気持ち回答”連発 – ねとらぼ
この道の先には
現時点では罰則がない条例とはいえ、これが先鞭となり強い規制の基礎となることは充分に考えられます。それが一番怖いところなのです。
多くの香川県議はそれを認識すらしておらず、こんな罰則もない条例なんて大したことない、騒ぎすぎだと軽く考えているのかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
「理念条例では拘束力がなくなる。将来的に国に法整備を求める上でも必要」(大山一郎議長)と、素案では「時間制限」も盛り込んだ。
この発言、相当ヤバいです。
今回の条例案は次のステップへの足がかりとして考えていることは間違いありません。
大山議員は香川県議会ネット・ゲーム依存症対策議員連盟会長でもあります。
典型的なローボール・テクニックですが、権力を持つ側がこういうやり方をするのは汚い。
1日60分という部分ばかりが取り上げられてネット上で面白おかしく大げさに捉えている方も多く見受けられましたが、現時点の条例案に罰則はありません。
ですが、罰則がないからといって目を瞑るわけにはいかないのです。
ここで阻止しておかないと次の地獄が待っているのです。
パブリックコメント自体の公平性・透明性
先述したとおり「公平さの確保と透明性の向上」が主旨のパブコメですが、今回の条例案に対するパブコメの不公平さと不透明性に関する記事も見受けられます。
ニュース:「ゲーム依存対策条例」異例のパブリックコメント詳細非公開…委員会メンバーが申し入れ 香川県議会 | KSB瀬戸内海放送
香川ゲーム規制、パブコメ全文を「採決後」に公開へ しかも「検討委限定・口外不可」―― 「これでは公開と言えない」と議員から怒り – ねとらぼ
香川ゲーム条例のパブコメ 市議が自作の記入用紙を配布:朝日新聞デジタル
…なんだか、自分たちの提出した条例案が通らないと死んでしまうかわいそうな人たちのようにも思えてきました。
ここまで大事になってしまって、引っ込みがつかないのもあるのかもしれませんが、何より自分たちの誇り高きプライドが大切なのかもしれませんね。