地方の二輪免許事情を考える

地方の二輪免許事情を考える

コロナ禍でリモートワーク中心の生活になったので、東京で借りていたアパートを引き払って長野での生活にシフトしました。
地方生活なのでもちろん車は持っていますが、バイクも良いかなーと思って普通二輪の免許を取りに行こうと決意し、調べたり申し込んでみて色々と感じたことがありました。
ちなみに教習はまだこれから。歳をとっても新しいことを始めるのはワクワクしますね!

おっさんばっかりって本当?

私の観測範囲では本当でした。
二輪人口が高齢化しているとは聞いていましたが文字通りおっさんばっかりでした。
いくつか教習所を見て回りましたが、二輪教習を受けているのはおっさんばかり。受付で話を聞いてもそんな回答でした。
ちなみに、会社で2年ほど前に二輪免許を取得した人に話を聞きましたが、東京では若者ばっかりだったと言われました。場所によるだろうけど、都会は違うのね…

なんでそうなるの?

長野は寒い

冬は寒い…いや、寒すぎる。
原付を含めバイクで動ける期間が短く、日常の足には向いていません。
ご存知の通り長野県の冬は非常に寒く、雪も降る。道路も凍結するし二輪に適していない気候です。
でも日本には四季があるから…とかクソくらえ。
寒すぎるんじゃボケ。単純に温かいほうがバイクは乗りやすいですからね。

趣味の領域

日常の足として使えないということは、趣味の領域に入ります。
学生は雨が降ったら遅刻して、雪が降ったらお休みよ~みたいな南の島の大王のような生活も許されるかもしれませんが、社会人になるとなかなか難しい。
学生も卒業して就職すると四輪じゃないと冬場の通勤に支障が出るので、徐々に乗らなくなるんじゃないでしょうか。

免許取得へのハードル(お金)

実用性のない乗り物であるバイクの免許を取るために、多少の上下はあるにせよ教習料で約12万円ほどかかります。
これは自動車免許を持っている場合で、いきなり普通二輪を取りに行くと18万円近くかかります。
高くね?すげー高いよね?長野県だけ?うちの近所だけ?
12万あればPS5を2台買えるよ?(定価販売+売ってれば)
18万あれば3台はイケる。(売ってれば)
これ、免許取得だけですからね。これにバイクや用品、維持費などで費用マシマシです。
実用性の低い免許を取りに行くのに、諸々揃えるだけでそれなりの出費です。

免許取得へのハードル(時間)

免許を取るにはお金はもちろん、時間もかかります。
一般的に、学生は時間はあるけどお金はない。
社会人はお金はあるけど時間はない。
学生はお金で、社会人は時間で足切りされます。(地方の教習所は日曜日休みのところが多い)
そうなると、実用性の低いバイクのためにある程度時間もお金も自由に使える人しか免許を取らなくなるのは想像に難くありません。
このハードルはかなり高い。私も含め、ほとんどの人が労働という行為で時間をお金に変えているわけですからね。
私は時間もお金も自由があるとは言えませんが、いろいろ我慢すればなんとか…

免許取得へのさらに高いハードル

今回調べてみて一番驚いたのが二輪免許を取得できる教習所が限られていることです。
正直、教習所ならどこでも取れると思ってました。

ちなみに、私は車で40分ほどの教習所へ申し込みました。
なぜなのか?
最寄りの教習所は車で10分ほど、駅至近の立地で非常に通いやすいのですが、二輪教習をしていないんです。市内唯一の教習所がこのザマ。
二輪教習を行っている最寄りの教習所(申し込んだ所とは違う教習所)でも車で30分はかかりますし、駅?なにそれ状態なのは言うまでもありません。
これでは若者のバイク離れも無理はありません。免許を取るのに免許が必要という状態が当たり前になっているのです。
教習所で送迎のサービスはありますが、この状況ではよほど意欲がないと二輪免許自体を取りに行かないでしょう。

これじゃおっさんしか二輪免許取らない、というか取れません。

二輪は本当に終わっているのか数字で確認

さて、私のフィーリング的なアレは良いとして、警察庁が免許に関するデータを公開しているので、こちらで確認してみようと思います。
欲しいデータを出すには時間がかかりそうだったので簡単なところだけササッと軽く。

運転免許統計|警察庁Webサイト

種類別新規運転免許証交付件数の年別推移(二輪・原付だけ抜粋)

大型二輪普通二輪原付合計
201633124,408116,741141,480
201734623,324107,754131,424
201838022,794100,585123,759
201934823,65892,879116,885
202036023,96395,392119,715
※一部抜粋、年は西暦に変更

昨年(2020年)は増加したようです。2020年はGoTo合宿免許フィーバーがありましたからね…ただ、全体の傾向としては年々減少傾向にはあったようです。
しかしこの抜粋した数字で騙されてはいけません。
免許全体の新規交付件数も二輪と同じような推移なので、二輪免許の取得者だけが顕著に減っているとは言い切れず、運転免許全体の取得者が減っていると読み取れます。
単純に高齢化と人口減少が原因と言えるのではないでしょうか。

ちなみに統計には年代別のデータもありますが、2種類以上持っている場合は上位免許に計上と記載されています。これ、イマイチわかりにくいです。
第二種と第一種の区別だけなのか、複数所持は全部1箇所にまとめているのかはっきりしない。前後の表から読み解くに後者であろうと解釈できそうですが…
16歳~19歳までの二輪免許保有数が多いのは明らかに二輪の免許しか持っていないからで、20歳以上から一気に減少しています。これは上位である普通自動車免許にカウントされているのと推測されます。
どちらにしても、これでは二輪免許所有者数を抽出することはできないので、数字は載せません。(自動車免許も持ってるとそちらにカウントされてしまうため)
面白いのは、65歳以上の二輪免許保有数はかなり多く、なぜか55歳~64歳は少なくなっていて、この辺りは免許制度とか自動車の普及と関連がありそうです。
興味のある方は調べてみると面白いかも。

さらに余談ですが、都道府県別の免取/免停件数なども出ているので、このデータは割と面白いです。
首都圏の免取が多いのは人口と比例しているので理解できますが、愛知、大阪、兵庫、福岡そして沖縄が多いのはなんとも言えない気持ちになります。免停件数も愛知、大阪、兵庫は多めですね。
地域柄が出ています。

販売台数で確認

免許は二輪だけが一人負けってことではなさそうなので、販売台数も見てみます。

JAMA – 二輪車

なるほどなるほど。
2000~2005年前後で販売台数が落ち込んでいますが、販売台数自体はそれほど変わりないんじゃないでしょうか…?
ちなみに2015年が凹んでいるのは消費増税でしょう。2014年に増税(5→8%)があったから需要の先取りの影響で、2015年はその反動があり凹んでるんでしょう。
この表を見る限りでは、いわゆる原付の販売台数は目に見えて減っていますが、他はそれほどでもない…直近3年はむしろ増えてる?

こちらも四輪車のデータが公表されているので見てみると良いかも。

日本でのバイク衰退は必定?

世間一般ではバイクはオワコンとか言われてますが、私の観測範囲では正しいけれど、数字ではそこまで正しいとは言えないという結論に至りました。
オワコン理論はバイクに限った話じゃなくて、二輪も四輪も少子高齢化からの人口減少コンボで終わるよねっていう話であって、特定の業界だけに限ったことではありません。むしろ、ここ数年の販売台数だけ見ればバイクは健闘しているともいえるでしょう。
ただ、上辺の数字はそこまで悲観的じゃなさそうですが、私の見る限りでは地方の実情は終わっています。
数少ない若者がバイクの入り口である二輪免許を取らない(取りにくい)から、二輪教習をする教習所が減ります。
結果、さらに二輪免許は取りづらくなり、取得する人がどんどん減っていく負のスパイラルに突入しており、免許を持っている人の総数も減り、需要も減っていくので徐々に市場は縮小するでしょう。
一時的なブームはあるとしても、根本的な問題は別のところにあるので長くは続かないだろうし、買う人の層、買える経済力などを考える限定的でしょう。
このままではバイクに限らず自動車も同じ道をたどることになりそうです。

日本全体に言えることですがユーザーが高齢化していくことで、高齢者に合わせたマーケティングをせざるを得なくなり、若者は自分たちのコンテンツであるという認識が薄れていきます。
止めようもありませんが、二輪ユーザーの高齢化はさらに進んでいくんじゃないでしょうか。
私もその一助ではありますが…

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